2666という本がありまして
「2666」とは、チリ人作家「ロベルト・ボラーニョ」の遺作であり大作、全900ページ弱、1ページが上下2段組になっている、定価税抜6,600円の偉大な小説である。
この小説を購入したのは、かれこれ4-5年前になるのだけど、実は少しも読み進めることなく、時代は令和になってしまった。
本を開くと途端に文字数が多くって、登場人物の名前は外国小説特有の覚えづらさがあって、どうしても読み進めることができなかった。
一時期は読み切ることを諦めて、メルカリで売ってしまうことも考えたけど、6,600円を読まずに売ることへの躊躇いと、これを読み終えたあとの達成感を考えると、スッと本棚へ戻す日々を送っていたのでした。
終えるために必要なこと
重い扉を開くように、そんな2666を読み始めたのが、2020年のゴールデンウィークだった。
前回の記事に書いたように、今年のゴールデンウィークは、コロナの影響で家にいるしかなく、これはチャンスと言わんばかりに読み始めた。
何事も、終えるために必要なのは、はじめることである。
長い間読み始められなかった本だけに、この当たり前な真実をヒシヒシと感じた。
そして、本の重みと、手首が痛さもヒシヒシと感じた。
ただ、読み始めてみると、偉大なことを達成しようとしているような気がして、ワクワクしながらページをめくっている自分がいたのでした。
5年ものの本だからこその感覚だろう。長年寝かせたワインを飲むことに似ているのかもしれない。
飲んだことないけれど。
どんな本なのか
結局「2666」は、どんな本だったのか?
謎のドイツ人作家をめぐる話と、メキシコ北部で起こる連続殺人事件の、一見関わりが見えない2つの主題があり、そこに「世界の秘密」が隠されている。
というのが本の帯に記載されているのだけど、1回読んだだけでは「世界の秘密」が何なのかが最後まではっきり分からない。
なんだけど、「あれ、もしかすると世界の秘密ってこういうこと・・・!?」という余韻が頭のなかに残って、もう一度読み直したくなる。
でも、上下2段組、900ページをあらためて読み返す気力はなく、読み返したい気持ちをこえて、ググりたくなる。
次はまた5年後に読もう。