ヒゲ
「ヒゲ剃り」が煩わしいと思い始めてから、長い月日がたった気がする。
毎朝の寝ぼけながらのヒゲ剃りも煩わしいし、旅行に持っていく電気シェーバーの重さ・かさばりも煩わしい。
つまるところ、動作としても所持物としても煩わしい。それがヒゲ剃り。
「人生から髭剃りがなくなったら、どんなに快適だろうか・・・。」
ということで、僕はヒゲを脱毛することにした。
韓国で脱毛
日本のヒゲ脱毛は、かなり高いと思う。
各クリニックのHPをチェックしてみたのだけど、頬・顎・喉・モミアゲ等々、各部位の組み合わせで料金が変わるようだ。
韓国人の彼女に、日本のヒゲ脱毛事情を話ししたところ、どうも韓国なら安くヒゲ脱毛ができるという。さすが美容大国と感心してしまう。
でも、どう考えても自分のヒゲは一般の韓国人より濃い。
「結局高い料金を払わされるのではないか・・。」
そんな一抹の不安を抱えながらも、せっかくなので僕は韓国でヒゲ脱毛をしてみよう。
はじめての脱毛
ある日、彼女と一緒にカンナムにあるクリニックへ行き、受付を済ませた。
クリニックの名前は「MUZE CLINIC」。事前予約はKAKAO TALKから彼女がやってくれてたらしい、感謝。。
受付完了後は、施術内容や料金プランを決めるために、透明なガラスで仕切られた小部屋で、ひと通りのカウンセリングを受けた。
もちろん、カウンセリングは韓国語でおこなわれるので理解できなかった。
(説明は彼女が聞いて、簡単な中国語とジェスチャーで教えてくれた。)
僕が選択したのは、全5回・平日限定施術のプランで、部位ごとにプラス料金がかかるようではなかった。(と思っている。)
肝心な料金はというと、全部で2万円ほどで拍子抜けするほど安かった。
カウンセリング後は、クリニック内の液晶に自分の名前が表示されるのを待つ。
クリニックに来てる他の韓国人同様に、日本人である自分の名前もハングル表記で表示されることになっていて、これはなんとも不思議で気恥ずかしかった。
施術のとき
ついに液晶に自分の名前が表示され、クリニックのお姉さんが名前を呼んでくれたので、奥の施術部屋に向かった。
正直に言ってかなり不安だったので、彼女に一緒にきてほしかったのだけど、施術室までは来れないということだった。(レーザーを使う関係で、という話だったと思う)
施術室に入ると、健康診断で寝転がるような、細長い診察台に寝そべることになった。
施術をする女医のお姉さんは、上手な英語でひと通り流れを説明してくれたあと、「スプーンを両目に当てて、ウルトラマンーだ」なんてやるようなアルミ製のカバーを僕の目の上にかぶせた。
呼吸困難になりそうな施術
ウルトラマンになっているので、どういう仕組みかわからなかったけれど、脱毛レーザーを発する機器からは、強力でほそい風が絶えず出ていて、何度も呼吸困難になりかけた。
呼吸のタイミングの説明は聞いてたものの、説明を理解することと、実際にやってみることは全く違うようだ。
僕が苦しそうにするたびに、「Are you OK??」と聞かれるが、決してOKではなかった。
肝心なレーザーはというと、やはり痛かった。顔中にゴムパッチンされるような痛さがある。
特に鼻の下が一番に痛かったのだけど、一番につらかったのは呼吸困難に見舞われることだった。
あの風はなぜ必要なんだろうか。
施術が終わると、保冷剤(保冷剤と聞いて想像する、あの一般的な保冷剤)を渡され、施術室外のベンチでしばらく休んだ。
ベンチのそばには、鏡とマスクが置かれていて、赤みがひどい場合にはマスクをつけて帰ったりするのかもしれない。
僕の肌は、ゴムパッチンを感じてたとは思えないほど、肌色以外のなんでもなかった。
ちなみに、ベンチでの休憩は自主性に任せられているらしく、いくらそこに座っていても、クリニックのお姉さん方は不思議そうに見てるだけだった。
勝手に待合室に戻ってきてしまってよいのか迷ったけど、後からそれで正しいのだと彼女に教えてもらった。
(逃げる2回目に続く)